産業構造の転換 2021 5 29
これは、10年以上前に書いたことですが、
いろいろな思いがあり、もう一度書きます。
故郷に帰って不安に思うことは、
産業構造が大きく変わってしまったことです。
大学生の夏休みに工員としてアルバイトをしていた工業団地。
今は、どうなっているかと見に行くと、工場があった。
ニュースでは、工場の海外移転が伝えられるが、
故郷の工場は無事だったのか。
夕方5時になると、
多くの工員が帰宅を急ぐ光景は変わらないのか。
いや、よく見ると、工場ではない。
巨大な物流倉庫に変わっている。
みんな、どこへ行ったのか。
工場の食堂で工員も管理職も仲良く夏祭りを開催したのに。
工業団地の隣にも、巨大な用地を確保して、
さらに工場を誘致するはずだったが、
平屋型のショッピングモールになった。
昔だったら、大企業の工員として働いただろうに、
今の若者は、飲食店や衣料品の店員として働く。
急激な円高を止めないと、工場が海外に行ってしまう。
そんな心配に、当時の政権は、工員を介護人材に転換するという。
ここで、私は気づきました。
政権の経済学は、マルクス経済学であることに気づいたのです。
確かに、当時の政権幹部が大学生の頃は、
マルクス経済学が主流であり、
近代経済学はブルジョアとして嫌われていたと聞いたことがあります。
しかし、工場で働くことを生きがいにしている人がいるのです。
部品の製作や組み立てを何よりも楽しみにしている人がいるのです。
そういうことを工場のアルバイトで知りました。
にもかかわらず、円高になったから、介護人材になれとは無茶です。
人間には適性もあれば生きがいもあるのです。
労働力を産業の部品として見るのは、マルクス経済学の欠点です。
あれから、10年以上経ちました。
私が感じていたことは、的中したのでしょうか。